SMランド
【SadoのSM小説】
第十一章

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

並木会長暗殺計画


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 第二日本帝國巽宮辰街、ビルとビルを繋ぐ屋内の通りである。このあたりは巽空港に近いが、会社が多く夜間はあまり人通りが無い。
 家路を急いだ男性が早足で突き進んでいた。内縁の女性に急いで帰ると連絡したばかりである。
 前を女性が一人歩いていた。綺麗な素足で、ピンクのギャザー入プルオーバー、同色のミニスカートで、躰の線はくっきり読み取れる。男性が振るい付きたくなる後姿である。
 男性は早足のまま女性を追い抜かす所であった。
 いきなり女性が振り返り、脚を蹴り上げ、右脚を中段で廻し、爪先を男性の股間を突き刺すように蹴り込む。
 男性の体は後ろに仰け反る。
 直ぐ片手を前に制し、片手は股間を押さえるが、そのまま砕けるように前に倒れる。
 そして男性は股を押さえ蹲る。
 蹴る瞬間、女のヒールの先は股間へ垂直に刺さるようにめり込んでいた。
 ピンクのミニスカートは腰まで捲れ上がり、真赤な下着が丸出しになったが、男性には見るどころではない。
 前から歩いてきた男性が驚いて立ち止まる。
 あわててポケットから携帯電話を取り出し、110番通報する。
 女性は通報する男性に暴漢だと主張する。
 「この人は貴方を追い抜かしただけで何もしていないよ」
 年の頃も五十代暴漢には見えない。
 保安部と救急隊がすぐやって来た。
 そこえ断末魔の男性からの携帯を聞いた内縁の二十代の女性が駆けつける。
 「神崎さんどうしたの、何があったの」
 「いきなりその女に蹴られた」
 男性は嘔吐していた。股間には染みが出来ている。
 目撃者の男性も四十代位である。後ろから早足で追い抜かそうとする男性を、女がいきなり振り返って蹴ったと証言している。
 「違います。早足で後ろから襲われそうに成ったから、蹴ったのです。正当防衛です」
 女は主張する。
 「そんな事は無い。その人は早足で追い抜かしただけだ。明らかに暴力行為。少なくとも過剰防衛だ」
 目撃者の男性もきっぱり証言する。
 保安部は女を逮捕した。
 男性は救急隊に担架に載せられ、エレベータで三十階まで運ばれ、コンテナレーンが中宮の病院に運ぶ。
 緊急手術が行なわれた。片方の睾丸が潰れていて摘出手術である。
 内縁の女性はその日のうちに弁護士を呼んだ。
 女は空手の有段者だった。
 日本では何回も同様の事で男性を蹴っていた。暴漢未遂とおぼし男性の睾丸を潰した時、過剰防衛になる場合もあると、忠告されたが咎められはしなかったと言う。
 だがここは第二日本帝國である。格闘資格者特別暴行傷害罪で起訴された。
 民事と刑事裁判が平行して行なわれた。
 民事は慰謝料五億円。治療費実費。休業補償五千万プラス裁判、弁護士費用が科せられた。
 第二日本帝國ではこの金額を國が立て替えてくれる。被告人は國に負債を負う事になる。
 内縁の女性は証言台に立ち、あの人の睾丸を返せと泣き喚き散らす。
 目撃者の男性も、被害者に何の悪意も無かったと証言する。
 裁判長と十九人の判事補が全員一致で有罪となった。女躰奉仕刑五年加重が言い渡された。
 第二日本帝國では刑が確定するまで、一切実名報道は認められていない。翌朝の帝國BBS朝のニュース番組ではこの事件が話題になった。
 この日は東久留米一男と山田三子の担当である。
 「昨日の裁判です。あの人の睾丸を返して、悲痛な叫びでした」
 東久留米が切り出す。
 「被告の女、片桐由香二十五歳は日本国で空手三段の有段者でした。この女は去る五月十六日巽宮辰街の人気の少ない屋内歩道で、被害者神崎四十朗五十二歳、会社経営の股間を蹴り、片方の睾丸を潰しました。格闘資格者特別暴行傷害罪で起訴され有罪が確定しました」
 山田三子が解説する。
 田代雅洋と高梁麻希子がスタジオで状況を再現する。
 麻希子が片桐由香の役で田代雅洋が被害者男性である。
 真っ直ぐ歩く麻希子、後ろから50センチ横を通過しようとする田代雅洋に、きびすを返して、振り返りざま、麻希子の右足首が田代の股間に炸裂。
 ミニスカ−トから、麻希子の下着は丸見えである。
 前向きに倒れこみ蹲る田代。
 「今男優の田代さんは、強力なプロテクターをしていますので問題はありません。今の様にヒールの先端がめり込む蹴りでした」
 麻希子が脚を掲げヒールの先端を示す。
 「麻希子さん凄い蹴りでしたね。何時もやっているのじゃないですか」
 コメンテーターの一人、三角満の指摘である。
 「とんでも有りません。私絶対そんなことしません。先程まで人形を蹴って何度も練習していました」
 裸になっても平常な麻希子の顔は全面真紅である。そんな女にされたくない気持ちは充分理解できる。
 「いやこれは失言でした」
 「今回の場合、真正面から来た目撃者が居ました。正面から見て、追い抜かす被害者と蹴った加害者の間に五十センチくらいの距離が有りました。被害者が加害者を後ろから襲うという前提はまったく成り立ちません」
 三子が解説を続ける。
 「片桐由香被告は、日本国でも同じ事を何度も行なっており、前にも潰した経験があるということです。インターネットの書き込みなどからも、得意がって、痴漢などを対象に蹴っていたということです」
 「前に潰した時は、夜道で突然襲ってきた暴漢と言う事で、注意だけで御咎めは無かったそうです。今回の場合も目撃者が居なければ、突然襲ってきた暴漢で済まされてしまった危険があります」
 東久留米が続ける。
 「亀山先生、我が國の場合今度のケースでは、目撃者が無くとも過剰防衛は免れないと思われます。日本の法律ではどうなのでしょうか」
 「この國では、どちらにしても、過剰防衛ではすみません。空手の有段者ですから、相手が、拳銃に相当する物を構えていない限り、暴力行為とみなされます。玉を蹴るだけだったら、正当防衛で済む場合もあるかもしれません。この場合目撃者が見ており、被害者はまったく何もしていませんので、それも無理でしょう。本来空手の有段者で護身訓練を受けていれば、潰さないように蹴れる筈です」
 「日本国の場合はどうなのでしょう」
 「何とも難しいケースです。僅か数分前に急いで帰って来る被害者と、携帯電話で話していた女性がネックです。携帯の通話記録はあります。更に証人が居ます。前にも同じ事をやった前歴もあります。暴漢と誤解したとしても過剰防衛は免れないでしょう。寸前に携帯で話した女性が騒ぎ出す事と、目撃者が無ければ、注意で済んでしまったかもしれません。この被害者の男性も暴漢の汚名を着せられてしまったかもしれません」
 「何とも納得の行かない話ですが、日本国は恐ろしい国ですね。道を早足で歩いて女性を追い抜かして、普通はそれで何も無いのですが、この片桐由香のような金蹴り趣味者だったら、暴漢の汚名を着せられ、生殖機能を奪われる」
 「しかし日本国では女性が痴漢と言ってしまえば、何でも痴漢にされてしまいます。電車の中でしたらお金を掛けて裁判までやれば、失うものは多大ですが、無罪を勝ち取れる場合もあります。夜道の場合は目撃者が居なければ難しいですね」
 「被害者の恋人である女性から、インタビューが取れています。内田アナウンサーです」
 バックスクリーンの映像に切り替わる。内田理美アナ(第七章劇場型犯罪/第九章新たなる奴隷制社会参照)が登場する。
 対象の女性は二十代前半、小柄で可愛い女性である。被害者とは親子ぐらい違う、日本ならば、援交等と悪口を言われるが、この國では当り前である。
 「あれから彼は、殆どSEXをしなくなってしまいました。する時もバックからだけなのです」
 「やはり性欲が減退してしまったのでしょうか」
 「それもあるかも知れませんが、あれ以来残った片方の睾丸が倍くらいになって、ぶつかると痛いようなのです」
 「加害者の女に言いたい事は」
 「もう裁判で言い尽くしました。本当にこの國で良かったと思います。賠償金と、慰謝料が取れただけでも、不幸中の幸いです」
 「判決についてどう思われますか」
 「当然です」
 カメラは東久留米に戻される。
 「悲痛な訴えでした。ここで民事の賠償なのですが、かなり高額なものになりました。これは判決のみではなく、総て國が立て替えて支払います。そして片桐由香の、女躰奉仕刑で得られた、懲役収入から回収されます」
 「ここで片桐由香被告に限らず、やたらと金蹴りをやりたがる女性が増えているようです。三角満さん」
 三子が問い掛ける。
 「そうです。インターネットの掲示板書き込みにも、かなり凄いのがありまして、金蹴りをやりたい、練習している等という書き込みが多々見られます」
 三角満の解説である。
 「護身のためと言うのではなく、痴漢に託けて、男性を痛めつけたいと言う嗜好ですね」
 三子が確認する。
 「ここで痴漢と暴漢なのですが、我が國でも暴漢の場合、自身の命の危険がある場合、正当防衛が認められますが、交通システムや人目の多い場所、混雑場所の痴漢等の場合、凶器を持ってない時は、かなりの率で過剰防衛となります。しかし痴漢でも今の日本国では、まず過剰防衛にはなりません」
 東久留米が問い掛ける。
 「昔はなったのですよ。今の大御所タレント○○なんか、若いときに痴漢を叩き過ぎて、痴漢より高い罰金になったと発言していました。それが今では、空手の有段者が、片方の玉を潰しても警告で済んでいる。掴まえるだけに行なえば過剰防衛以上ですが、御手柄になってしまう。もうマスコミ主導型の判断としか言えません」
 亀山弁護士が解説する。
 「江崎先生。今回の片桐被告の女躰奉仕刑五年ですが、会社経営者と言う事で、休業による損害補償が高いのですが、実際五年で國は回収できるのでしょうか」
 東久留米が江崎占い師に質問を振る。
 「今回はアナウンサーの公開陵辱刑同様、かなり見せしめの意味もありまして、オークションに掛けられます。五年期限の売却で回収と成ります」

 オークションの前に並木会長のペット審査会が中止になっていた。
 候補に送られてきた借金女性の、三人までがクローンであった。ブローカーが連れてきた元の女性と、どこかで入れ替えられたのである。
 体内に爆弾などは無かった。
 厳重な取調べを行なったが、格闘などの訓練も受けていない。
 江崎は、N氏の並木会長暗殺計画と読んでいる。
 日本近海、太平洋での怪潜の出没は顕著になっている。
 N氏は第二日本帝國が参戦する糸口を、作らせない、ぎりぎりのところで行動している。
 本来、緊急時を除いて第一、第二艦隊は交代で任務につく。一ヶ月働くと交代で一ヶ月の休暇が貰える。
 有事に備えて艦長等、自衛隊他から引き抜き、交代要員の強化策が推し進められていた。(第十章刺客養成所参照)
 万条目大佐が並木会長に挨拶に現れた。元海上自衛隊二等海佐でイージス艦の副長であった。今回大和、武蔵の交代期間の艦長を勤める。
 納見少佐(昇進)が艦隊参謀として作戦指揮任務に付く。方位による艦隊行動の必要性からである。
 既に、N氏の静岡付近の、アジトは推定されていた。
 N氏がじわじわと行動するならば、こちらもN氏の所有する潜水艦を、じわじわ片付けようということである。

 並木邸の二階の大広間である。本日は畳が敷かれ、和式の宴会場形式になっている。
 恒例の女躰オークションである。今回から形式が変わって四階の広間から、二階に移された。(第三章オークション参照)
 広間の八割が畳の演場である。西面と南面に壁面から席が儲けられている。西面は一列で十席。平面の畳に隙間を空けて、上にもう一枚畳が敷かれ、畳一枚が一人分の席である。
 南面は二列で前列は十席、西面と同じ造りだが、後ろの壁面の席は、七席で高さ二十センチくらいの演台が置かれ、その上に畳が敷かれ、高い席になっている。
 南の前列と西面が企業家たちの席である。南面の一段高い席が政治家の席に成っている。
 日本の麻留首相、平佐和代議士も列席する。韓国、台湾、亜細亜の政治家がメインである。
 そして多国籍企業のオーナー、又はその代理人である。
 この催しは、多国籍企業が政治家に、その国の法律に縛られず、合法的に献金する為のものである。
 女躰オークションに出される女性は、あすか女王が業者から買い取り、一度政治家に規定の価格で売られる。そこから競りが始まるわけである。
 最低価格が政治家に売られた価格である。そこから落札額の差額が政治家の手に渡るのである。
 落札者たちは、政治家の胸に付けたハンカチの色と、女躰オークションに掛けられる女性の、下着の色で判断する。
 落札者たちは、この場で並木会長に入金するが、政治家は後日開催されるカジノで、合法的に勝たせてもらい現金を受け取る。
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